ラストケお散歩日記①
そこは現代の頭痛とは遠く離れた水の上の小惑星だった。
ザグレブ・バスターミナル。朝8時20分。窓口であと10分後に発車する便のチケットをくださいというと「その便はもう満席ですよ、次の10時半のならありますよ」というおばさんの言葉にむむむっ。せっかく朝から行く気満々、たまごサンドも作ったのに。あと二時間もこのターミナルでぼけーーーっと待つのは、イ、ヤ、ダァーーー。
旅の道連れさんと「・・・行ってみよっか?」顔をみあわせとりあえず、ザ・裏技。乗り場405番の階段を降りて8:30のバスの前で車掌さんに尋ねる。「もし出発直前に空席があったら乗せてもらえますか?」「うーん、あれば、ね。座席がなくて立ってってのは違法になるから乗せられないよ?それに次のカルロヴァツから予約してる人が乗って来たら立たってもらうよ?」ちょっと矛盾しているけれど、まあいいや。「はい、大丈夫デス、お願いします!」その時点で窓口でいわれた通りほぼ満席のように見えたけれど、いよいよ運転手さんがエンジンをかけると後部4席が空いているというので、 どもどもヤッター、いざ出発!
40分ほどで着いたカルロヴァツではやはり予約客が乗って来た。「はいはい、あんたとあんたとそれとあんたとあんた、4人、立って立って!」車掌さんに促され、あと1時間半ほど立ちっぱなしか〜と立ちあがると「あ〜、わしゃ〜すぐ次に降りるから、ね〜ちゃん座ってよ〜」と小さなおじさんが親切にも座席を譲ってくれた。次のって、そんなにすぐだったっけ?どこだろ?なんて思っているうちにバスはくねくね山道を進み30分。停まった。いつも驚かされるクロアチア人の「すぐ次」「すぐそこ」。彼らの時間と距離の観念が日本とはまったく異次元なのだ。30分もあるって知ってたら代わってもらわなかったに。ありがとう。
そうしてうんざりするほどの観光客で溢れる夏のプリトヴィツェの森から30キロほど手前、右側に渓谷が現れ、エメラルドグリーンの川がキラキラと流れる。その崖の上にまるで黒澤明の『夢』に出て来るような水の上の村が見えてくる。今日の旅の目的地ラストケ村。なのに、久しぶりにみたラストケはチョット、様子がちがっているように思えた。「あれ? ・・・水車・・・」「だよね? あったよね、あそこに」道連れとふたり、首を傾げる。数年前まではたしかにあった大きな水車。それがこんこんと流れ出る水にぐるぐる回っているのを車窓から見るのが大好きだった。
水車が気になりながら、ラストケへ徒歩で5分のスルニという小さな町の広場の前でバスを降りる。バス停にはバス停ですと示すものはなにもない。だけどバスがそこに停まるからそこがバス停なのね。反対側にはいかにも田舎町らしいけっして褒められそうもないド派手な色使いのスーパー、その前のカフェではクロアチアのどこの街や村でもみられる光景。日夜問わずカフェでくっちゃべっているおじさんたち。シゴトをしている気配などまるでないけど、まあのんびりしてていいじゃないの。
それじゃあ村に入ると、まずは朝の一杯。地元のお兄さん方はすでにコーヒーにラキヤ(クロアチア産グラッパ)で井戸端会議ならぬ水辺会議。カフェの下には小川が流れる。
ラストケお散歩日記②に続く・・・。
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ザグレブ・バスターミナル。朝8時20分。窓口であと10分後に発車する便のチケットをくださいというと「その便はもう満席ですよ、次の10時半のならありますよ」というおばさんの言葉にむむむっ。せっかく朝から行く気満々、たまごサンドも作ったのに。あと二時間もこのターミナルでぼけーーーっと待つのは、イ、ヤ、ダァーーー。
旅の道連れさんと「・・・行ってみよっか?」顔をみあわせとりあえず、ザ・裏技。乗り場405番の階段を降りて8:30のバスの前で車掌さんに尋ねる。「もし出発直前に空席があったら乗せてもらえますか?」「うーん、あれば、ね。座席がなくて立ってってのは違法になるから乗せられないよ?それに次のカルロヴァツから予約してる人が乗って来たら立たってもらうよ?」ちょっと矛盾しているけれど、まあいいや。「はい、大丈夫デス、お願いします!」その時点で窓口でいわれた通りほぼ満席のように見えたけれど、いよいよ運転手さんがエンジンをかけると後部4席が空いているというので、 どもどもヤッター、いざ出発!
40分ほどで着いたカルロヴァツではやはり予約客が乗って来た。「はいはい、あんたとあんたとそれとあんたとあんた、4人、立って立って!」車掌さんに促され、あと1時間半ほど立ちっぱなしか〜と立ちあがると「あ〜、わしゃ〜すぐ次に降りるから、ね〜ちゃん座ってよ〜」と小さなおじさんが親切にも座席を譲ってくれた。次のって、そんなにすぐだったっけ?どこだろ?なんて思っているうちにバスはくねくね山道を進み30分。停まった。いつも驚かされるクロアチア人の「すぐ次」「すぐそこ」。彼らの時間と距離の観念が日本とはまったく異次元なのだ。30分もあるって知ってたら代わってもらわなかったに。ありがとう。
そうしてうんざりするほどの観光客で溢れる夏のプリトヴィツェの森から30キロほど手前、右側に渓谷が現れ、エメラルドグリーンの川がキラキラと流れる。その崖の上にまるで黒澤明の『夢』に出て来るような水の上の村が見えてくる。今日の旅の目的地ラストケ村。なのに、久しぶりにみたラストケはチョット、様子がちがっているように思えた。「あれ? ・・・水車・・・」「だよね? あったよね、あそこに」道連れとふたり、首を傾げる。数年前まではたしかにあった大きな水車。それがこんこんと流れ出る水にぐるぐる回っているのを車窓から見るのが大好きだった。
水車が気になりながら、ラストケへ徒歩で5分のスルニという小さな町の広場の前でバスを降りる。バス停にはバス停ですと示すものはなにもない。だけどバスがそこに停まるからそこがバス停なのね。反対側にはいかにも田舎町らしいけっして褒められそうもないド派手な色使いのスーパー、その前のカフェではクロアチアのどこの街や村でもみられる光景。日夜問わずカフェでくっちゃべっているおじさんたち。シゴトをしている気配などまるでないけど、まあのんびりしてていいじゃないの。
それじゃあ村に入ると、まずは朝の一杯。地元のお兄さん方はすでにコーヒーにラキヤ(クロアチア産グラッパ)で井戸端会議ならぬ水辺会議。カフェの下には小川が流れる。
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by adriatic-sea
| 2010-08-12 05:28
| 変哲のないふぉとぐらふ