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彼と彼女に魅せられて、そして撮りそこねた塩田風景。



ストンの小さな町を歩いていると
町の奥の路地の少年と少女にであった。
縄跳びで遊ぶその姿に自分の子供時代を重ねる。

「ドバルダン!」

こんにちはと笑顔で挨拶する。
カメラを見せる。
少年と少女はちょっとはにかんで顔を見合わせて、
それから首を縦に振る。

緊張させないように
サッとカメラに収めた彼と彼女を見て思った。

彼は思いやりに溢れた青年になり、
彼女は薔薇のように美しい娘になるだろうな。

「フヴァラ!」

二枚のその写真を見せると
うれしそうに照れ笑いする彼と彼女にありがとうと告げて
時計を見ると、しまった! もうミニバンに戻る集合時間に数分もない。
山の中腹の城壁からこのストンという町の
昔ながらの塩田風景を撮りたかったのに時間切れ。

ドゥブロヴニクからここまでなにしき来たんだよーーーっ。
でもコルチュラという島に渡るボートに乗り遅れてしまうから
遅れるわけにはいかない。と思うワタシはニホンジン。

急いでミニバンに戻るとガイドさんが車の前で待っている。

「わっ! ドキッ。ひょっとして最後?」
「いーや、まだ誰も戻ってないよ!」

笑顔のガイドさん。
それからみんなが揃うまで待つこと15分。
最後までイタリア人カップルが戻って来ない。
ガイドさん、ちょっと焦る。ボートに乗り遅れるかもしれないーーっ。
なんだよーーっ。
塩田風景、撮りに行けたやん・・・。

だけどそれよりももっと大切なものにであえたストンの町の路地。
風景なんていつでもいいや。
そうしてミニバンはコルチュラ島へ向うオレビッチの港に向ったのでした。



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