この街のこの感じが好き。

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線路の上を爽やかな青色の路面電車が、通行人すれすれに滑ってゆく。その前や後ろを、なに食わぬ顔で買い物客が横切る。おなじように自転車も通り過ぎてゆく。その自由さがいいな、過保護じゃなくて。

ユーゴスラヴィア時代に遡っても無賃乗車があたり前だったこの街の電車。時が流れクロアチアという国になった今もそれは変わらない。車内の黄色い打刻機に自発的に乗車券を突っ込む乗客以外は、表向き、定期を持ってる人や無料のシニアだったりだ。

その日、ザグレブ大でのワークショップを終えて友人たちと電車を待っていた私は、薄いブルーのストライプのシャツを着ていた。電車が停車しドアが開くと珍しくたくさんの人が押し合いながら急いで降りて来た。ぶっちゃけ「なんでこんなとこで?」と首を傾げるような郊外な感じの駅である。それから私たちを乗せた青色の電車が走り出すと、いやにチクチク視線が刺さる。ここじゃアジア人もパンダも同じレベルで珍しい。だから慣れっこだから気にしない。すると、ちょっと離れたところで友人たちが、ぐわっはっはっ!と笑う。

「わかったわかった、原因はあんたのそのシャツだね!」

シャツ?

窓から次の駅で佇む群衆の中にブルーのシャツを着た人たちの姿を見ると、車内にピッキーン、緊張が走る。サッと乗客の表情が固くなる。ヤバい・・・すぐ降りなきゃ、ヤバい。

抜き打ちで車掌たちが乗ってくるのだ。無賃乗車犯を捕まえるために。捕まったら罰金だもん、みんな、よーいどんっ!すばやく車掌さんの乗って来るドアを避け、向こから降りる構えの体勢にはいる。プシューッ、ドアが開き、「ZET」の刺繍文字が左胸に輝く車掌さんの薄いブルーの縦縞シャツ。その日の私のシャツはそれととてもよく似ていた。そっか、それでみんな勘違いして「ヤバッ!」一斉に降りたってことらしかった。お騒がせして済まんのー(笑)。

去年のクリスマス頃に改正を担当したクロアチアのガイドブックが発売になったすぐあと、この界隈の無料乗車サービスがあっけない終りを告げた。・・・あらまっ。どうやら赤字改善せず、ということらしい。こんな風にクロアチア事情はぐるぐるくるくる、目まぐるしい。

ということで、どうぞ観光でザグレブに来られる日本のみなさま、無料区間はとっくの昔になくなってますので、無賃乗車でお縄にならないよう、路面電車ではいつも用意万端、構えの体勢で。ぢゃなくて、チケット、買って乗りましょう。えっ、私はどうしてるのかって?それは秘密です。




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