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アナログで行こう。

お久しぶりデス。

去年の秋からこの桜が散った後まで、キョウトとザグレブを行ったり来たりしつつ・・・これ以上ココを放置するのもどうかと(汗)、冬眠からやんわり目覚めてみました。

5月、久しぶりの新緑のザグレブは、「アイスでも食べなやってられんなあ〜」な28℃の真夏日かと思ったら、その数日後にはガクーンッと10℃前後まで冷え込んで。今週はヒーターをつける始末。今日なんぞは街なかで毛糸の帽子姿も。地球も生き物、暦通りになんて行かないね。

このクロアチア共和国で唯一無二の大都会(←あくまでもクロアチア国内基準でいうところの)、首都でビジネスと文化と学問の街、プライド高きザグレブ。とっても澄まし屋で気取り屋で、社交辞令が飛び交う、そんないけ好かない街だと思って来た。そしてその思いは今でも変わらない。だけど、なんだろ、そんな街なのにも関わらず、根底にはやはりクロアチアという民族のもつ激しさや無骨さ、タフさがあり、だからどこかとても泥臭く人間クサい。

「どうぞお座りくださいね」お年寄りや妊婦、体の不自由な人がトラムに乗れば、すぐに誰かが立ち上がって席を譲る。強面のお兄さんが、女子高校生が、まるで自然に。店に入ればまずは「ドバルダン(こんにちは)!」そして「ドヴィジェニャ(さよなら)!」がお客と店員の間で交わされる。カフェではメニューにないレモネードでも「ああ、いいよ!」と笑顔で出してくれる。久しぶりの市場の、いつもの八百屋のおばちゃんが「あらま、やっと帰って来たよ、おかえり!」脹ら脛だか二の腕だかわからない逞しい両手を大きく広げる。

一見華やかに着飾った人たちで溢れる目抜き通りの同じ路上には、乳母車の若い母親、市場帰りの中年女性、ぺたんと座りこんだ物乞いジプシー、ギター弾きのオヤジ、花売りの老女、片足の男、露天商。スーパーマリオそのまんまの掃除夫に、梯子を担いだ大工。光と影、社会の持ついろんな姿がある。

京都で坊主をしている長年の友人の言葉を借りれば、「ニンゲンはアナログな生き物」である。文明や社会システムがデジタル化しようがなんだろうが、そこにはいろんな人がいて、いろんな暮らしや価値がある。2012年のザグレブは、どう転んでも高層ビルの立ち並ぶ高速デジタル化社会のイメージにはまだまだ遠く、だけど相変わらず、ヒトも街も社会もどうしようもないほどコテコテのアナログで、だから、どこかほっとするんじゃないかって、そんな気がした。

アナログで行こう。_f0039021_3485639.jpg



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