ペカの下にはパンがある

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ダルマチア地方の郷土料理にペカというものがある。
庭の隅のレンガ造りのかまどのようなところに
中華なべを逆さまにしたような蓋の上に炭を置き
子牛やじゃがいもなんかを
時間をかけてじっくりと蒸し焼きする。

そのペカで焼かれたパン。
スプリットの市場で見つけたよ。
お母さんと少女が
おままごとのようなお店で売っていた。

「あのね、ちょっと聞いてもいい?」

そう少女が恥ずかしそうにはにかむ。

「外国の旅人さんに“どうぞ食べてみて!”って
英語でなんていったらいいの?」

「Please Try This! かな?
あなたのそのかわいい笑顔と一緒ならおいしさ倍増かな」

パッと少女の顔が輝いたよ。


なんだろう、
この素朴で不思議なおいしさ。
ひとつひとつ大きさも
形もふぞろいで
だからこその手作りのおいしさ。
お母さんと女の子が
庭で一緒に作っているところを思い浮かべながら
オリーブオイルをつけて食べたよ。
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