癒し。
なんでもない景色なのに、なぜかその人の心にだけそっと響く風景。
誰にでもそんな場所があるのかもしれないね。
小さい頃、木々や草花、水が大好きだった。
夏休みいっぱいをワタシの実家で過ごす従兄たちは、
毎日真っ黒になりながら兄と野球に大声を張り上げていた。
野球なんてつまらないワタシは、実家の草木に囲まれた静かな裏庭でひとり、
しゃがんでスコップで水路を掘り、その先に小さな池を作り、
そこに茶室横の水道からホースでザザーッと水を流し込み、
その水音と、行き先をずーっと眺めていた。
その小さな宇宙が好きだった。
今日、治療帰りに立ち寄った、ザグレブ植物園の一郭。
柔らかく風に揺れるオレンジの花、水色の花。
竹やぶ。
陰と明。
あめんぼと小魚の跳ねる音。
この、ほんの10歩もあるかないかの、
きっと、誰もがすっと何気なく通り過ぎてしまう水辺の風景。
だけどここに来ると、
スコップを持ったあの頃の自分に会えるような気がして、
また水辺にしゃがんでファインダーをのぞく。
あ。
いててっ。足の傷、開きそ。
読みついでにクリックしてもらえるとうれしいカモ☆
by adriatic-sea
| 2011-07-18 05:40
| 変哲のないふぉとぐらふ