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ティトーのため息

週末は街を離れよう

Kumrovec
クムロヴェッツ


ザグレブから車で一時間ほど
かつてのユーゴスラビアの英雄
ティトー大統領の生まれたという村

古今の農家の世界
ちょっとのぞいてみようか
まずはティトー大統領の生家に行こう

彼の死後、風の噂のミステリー

本当に彼はこの国の人だったのかしら
彼のクロアチア語にはへんてこなアクセント
こんな小さな村の人にしちゃー、ピアノにも長けて知的すぎるよね
彼の兄さんがロシアから帰還したティトーに会っても
それがティトーだかわからなかったんだって
ロシア時代に誰かがティトーと入れ替わったって話もあるよね
だけどティトーは本当に素晴らしい人だったよね

そんなティトーの銅像の前で
いくつもの家族連れがパチリパチリ
楽しそうに記念写真


ティトーのため息_f0039021_0402464.jpg


「ケッ、いい気なもんだね

オレの時代のユーゴスラビアはよかっただろう?
それなのにユーゴ紛争だなんて起こしちまって
民族浄化だって?どれだけの血が無駄に流れたんだ?

十年ほど前ではここでオレと記念撮影なんてしようなんて
とんでもなかったんだろ?

現金なものだね
人間なんて所詮はそんなものさね・・・」


なんてティトーのため息が聞こえてきたよ



写真の背景はティトーの家の隣家の倉庫
トウモロコシがつるしてあるんだね
トウモロコシを干して粉にしてパンにする?
それともポレンタにして食べる?


(ちなみに:日本語では「ティトー大統領」ではなく「チトー大統領」と発音するのが一般的なようですが、ユーゴ&英語の発音ではティトーまたはティトですね。チトーって誰や?って感じで私の耳にもチトーではなくティトーと聞こえるので、そう表記しておきます~。あしからずっ。フリー百科事典ウィキペディアに掲載されているティトーの経歴はこちらにて。)